秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

成宮さんは、
そんな劇場を経営されてるすごい人だ。

気さくですごく面白くて、小さい頃はよく遊んでもらっていたんだったっけ。

「確か、成宮さん今年で還暦だよな。
俺、何か贈り物したい。‥‥九条だったら何貰ったら欲しい?」

「へっ、私の目線でですか?」

うーん、28歳の女性と今年還暦を迎える男性の好みは一致しないかも‥。

「そうですね、えーっと‥」

そんな事を考えながら頭を悩ませていると、コンコンっと応接間の扉を叩く音が響いた。

柊ちゃんが腰をあげるのと同時に扉が開き、瞬間、抱きつかんばかりの勢いで成宮さんが応接室に入ってこられた。続いて、もう一人の男性も入られる。

「柊君、若菜ちゃん!いやぁ~久しぶり
だなぁ!」

「お久しぶりです成宮さん‥!」


柊ちゃんと一緒にペコッと頭を下げる。
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