秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
「もう12時まわったし、
続きは昼飯でも食べながら話そうか」
「はい」
「何か食べたいものある?」
そう聞かれて、
また何でもいいですと答えようとして、気になっていた店があったのを思い出した。
ここに来るまでにも通った。
店の名前を答えると最上さんもすぐわかってくれて、劇場とは駐車場に戻るよりだいぶ近いから車には乗らずにそのまま歩いて向かうことになった。
雨に濡れないようにしっかりと傘の柄を握りしめながら最上さんの隣を歩く。
歩幅‥合わせてくれているんだろうな。
傘のビニール越しに最上さんをちらっと見ながらふとそんな事を思った。