秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
妹‥‥か。
私は何を今更傷ついているんだろう。
恋心を自覚したその瞬間から、柊ちゃんへの失恋なんてわかりきってた事だった。
私が海斗さんと食事に行った事で柊ちゃんが不機嫌になった事も‥‥兄が妹に抱くような感情と同じで。
だから─だから。
一方的だけど、
海斗さんを利用するような事は出来ないけれど、
私は私で、勝手に柊ちゃんを好きでいよう。
ばれなければいい。
想うだけだったら‥‥迷惑かけないかな?
「柊ちゃん、今日楽しかった?」
声が震えそうになるのを堪えてそう聞いた。
「舞台が想像よりも凄く良かった。起用したい役者も決まったよ」
「そっか、良かったね‥!」
素直に楽しかったと答えない所が、柊ちゃんらしいのかもしれない。
好きな人の幸せを願おう。
ちょっとだけ苦しいけど、柊ちゃんには幸せになって欲しいから。