秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

妹‥‥か。

私は何を今更傷ついているんだろう。
恋心を自覚したその瞬間から、柊ちゃんへの失恋なんてわかりきってた事だった。

私が海斗さんと食事に行った事で柊ちゃんが不機嫌になった事も‥‥兄が妹に抱くような感情と同じで。

だから─だから。

一方的だけど、

海斗さんを利用するような事は出来ないけれど、
私は私で、勝手に柊ちゃんを好きでいよう。

ばれなければいい。
想うだけだったら‥‥迷惑かけないかな?


「柊ちゃん、今日楽しかった?」

声が震えそうになるのを堪えてそう聞いた。

「舞台が想像よりも凄く良かった。起用したい役者も決まったよ」

「そっか、良かったね‥!」

素直に楽しかったと答えない所が、柊ちゃんらしいのかもしれない。

好きな人の幸せを願おう。

ちょっとだけ苦しいけど、柊ちゃんには幸せになって欲しいから。
< 181 / 276 >

この作品をシェア

pagetop