秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

いくらか言葉を交わしたところで、急に部屋が明るくなった気がしてハッと顔をあげると、天井いっぱいにきれいな星空が広がっていた。

「わ‥‥」

綺麗。

目を見開いて、そう真っ先に感じた気持ちを心の中で呟く。

最初はただただ綺麗だと見惚れているばかりだったが、だんだん目が慣れてくると、いくつかの見慣れた星座が浮かんでいることに気がついた。

そして、一際大きく輝く三つの星の配置にも。

「柊ちゃん、あれって、あの三つの星って、夏の大三角形じゃない?」

子供の頃の記憶を辿りながら、隣の柊ちゃんに小さな声で呟く。

私の声があんまり小さかったからか、それを聞き取れなかった柊ちゃんが、ん?と言って私の方に耳を寄せる。

不意に近くなった距離に心が音をたてた。


そ、そうか。
別にお客さんは私達二人だけなんだし、そこまで小さな声で喋る必要もなかった。

ん‥‥‥‥ん?

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