秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
初めて違和感に気がついた。
ここにいるのは、私達二人だけ。
「柊ちゃん、解説員さんが居ない‥!」
発した声はさっきとは比べ物にならないくらいの声量だった。
驚く私に柊ちゃんが小さく声を上げて笑った。
「だな。まぁ時間が時間だし、訳ありっていうのは解説員が不在だって事か」
「そ、そういう事か~‥」
やっと訳あり、が何なのか理解して頷く。
そっか。そういうことだったのか。
───‥でも、なんだかそれって。
「あ、オリオン座」
柊ちゃんがそう呟いた。
オリオン座‥って、冬の星座だよね。
「えっ、どこどこ?」
「ほらあれだよ、あの端の‥」
そういって柊ちゃんが星空を指差してくれて、それをたどるとオリオン座を見つける事が出来た。