秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
「若菜」
「‥‥‥。」
「おーい、若菜」
「え‥‥あっ、何?」
落ち込んで、柊ちゃんに名前を呼ばれていたことに気がつかなかった。慌てて返事をすると、柊ちゃんがいきなりガタンと立ち上がった。
え‥‥柊ちゃん?
ぽかんとしたまま、柊ちゃんに腕を引かれて、
気がつけばベランダの前に来ていた。
一体全体どうしたんだと柊ちゃんから外の景色に視線を移して──‥
「わぁっ、雪‥‥!」
目を丸くした。
少しだけど、ぱらぱらと小さな白い雪が空から降ってくるのが確かに見える。
床暖房だ何だと、やたら防寒対策ばっちりな柊ちゃんのマンションに居て気がつかなかったが、確か今日、
外はものすごく寒かったんだっけ。