秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
最上さんが先に車を降りて、
私も降りようとシートベルトを外したり鞄を取ったりしているうちに最上さんが外から扉を開けてくれた。
ありがとうございますと言って降りて、
また開けて貰っちゃったなと少しだけ落ち込んだ。
車から出た瞬間、
今まで社内の暖房で温まっていた体が一気に冬の冷気に襲われた。
「結構寒いけど大丈夫?」
「‥いえ、
寒いの苦手じゃないので全然平気です」
「そうなの?強いな」
そう言って最上さんが小さく笑う。
寒いのに、何故かそんな意味もなく強がりながら
イルミネーションで彩られた広場を最上さんの後について歩いた。
こういうのはあまり今まで来た事が無かったけど、
本当に綺麗で幻想的で、
私らしくもなく心が浮き立ったようにわくわくして
辺り一面の電飾をキョロキョロしながら進んだ。