秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
あの日の柊ちゃんの声が鮮明に蘇る。
……忘れられるわけない。
柊ちゃんの声も。
匂いも。
何気ない会話だって。
…ずっと一緒にいたんだから。
「九条さん…?」
海斗さんに心配そうにそう声を掛けられてから、頰が少し冷たい事に気づいた。
見上げる星空がぼやけて霞む。
私…泣いて…?
「ごめんなさい、これは…」
慌てて目を擦ろうとする手をパッと
海斗さんにとられて、
促されるように立ち上がる。