秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

プラネタリウムを出た後、
家の近くまで送ってもらった後に海斗さんとは別れた。

一人になって、肌を刺すような寒さに体を震わせた時だった。


いかにも高そうな黒塗りの車が速めのスピードで向かってくると思ったら、
それはいきなり私の目の前で停止した。

「え…?」


いきなり目の前で停まった車に、
一瞬思考が停止する。

ぽかーんと立ち尽くすと、
やがて車の窓がシャーっと空いた。

中からもの凄く綺麗な美人さんが顔を出す。
透き通るように白い肌。
緩く巻かれた黒い髪。
綺麗に形の整った、
少し茶色のさしたような瞳。


一瞬見惚れてから、ハッとした。
───今宵さん!?

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