秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
食事を終え、予め用意しておいた午後からのミーティングの資料を柊ちゃんに渡したあと、急いで副社長室へと向かった。
副社長室の前でふうっと息を吐き、コンコンっと扉をノックする。
「─入ってくれ」
部屋の奥からそう光一さんの声が答えた。
「失礼します」
扉を開けて中に入る。
社長室とはまた違った清潔感のある香りに鼻がツンとした。
部屋の奥の椅子に光一さんが腰かけていて、資料に落としていた目をこちらに向ける。
顔立ちは少し柊ちゃんに似ていて、顔は彫刻のように綺麗で整っており、柊ちゃんの叔父とは思えない程だいぶお若く見える。
柊ちゃんのお父さんとは、だいぶ歳が離れていらっしゃるのだろう。
「そこの椅子に座ってくれ」
「はい」
そう言われ椅子に腰かけると、光一さんも机から何かを取り出し立ち上がって、私の目の前の椅子に腰かけた。