秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

彫刻のように整った目に見据えられ、思わず背筋を伸ばした。

「今日は、頼みがあって君を呼んだ」

光一さんが、そう言って私に大きくて平たい手帳のような物を差し出した。

受け取ってから気づく。これって‥‥


「君から、柊に渡してやってくれないか」


そう言われて光一さんから手渡されたものは、お見合い写真だった。




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