秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
確かに柊ちゃんってあんなに女の人に人気があるのにあんまり彼女を作ったりしないから、あんまり恋愛に興味がないのかなって思っていたけれど‥。
その気にさせるのも秘書である私の大きな役目かもしれない。
私に、柊ちゃんを起こす事以外にやっと大きなお仕事がめぐってきちゃった。
そう思って、やる気を入れるようにグッと拳を握っていると、カツカツという足音が近づいてきて、社長室のドアノブがガチャリと開く音がした。
柊ちゃんだ。
「最上社長、ミーティングお疲れ様です」
そう言って、お見合い写真を背に隠し、
タタっと柊ちゃんに駆け寄る。
「オーディション、明日ですもんね。素敵な女優さんの卵、発掘してくださいねっ」
「あぁ‥‥って、なんかやけに笑顔だな」