秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
この2年、死にものぐるいで頑張る柊ちゃんをずっと側で見てきた。
そんな柊ちゃんを支えるのは、きっとただの秘書には限界がある。
だから─‥だから。
「私はこの縁談、最上社長に受けて欲しいなって思ってます」
「‥‥‥‥‥‥。」
そう言って、柊ちゃんの顔を見上げる。
そして目を丸くした。
柊ちゃんが、あんまり辛そうに顔を歪めていたから。
「え‥‥、柊ちゃん?」
柊ちゃんの表情に戸惑い、思わずそう名前を呼んでしまう。
しまった、と慌てて訂正しようとした言葉は、柊ちゃんに遮られた。
「あの‥」
「社長秘書としてだけじゃなくて、若菜も俺がそうすればいいと思ってる?」
「え‥‥」
不意にそんな事を尋ねられ、上手く答え方がわからなくて思わず目を反らそうとするが、柊ちゃんの真剣な瞳にからめとられて反らせない。
初めて見るような柊ちゃんの表情に、私はさっきからずっと戸惑っていてばかりだ。
私は…
私は、柊ちゃんがどうすればいいと思ってる─…?