秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
「でもだんだん‥‥努力家な君を見てると可愛いなぁって‥‥。俺のものにしたいって思うようになった‥‥」
「ぁ‥‥‥っ、や、やめて‥‥!」
自分でもちゃんと触れたことのないような場所に手を伸ばされ、そのまま熱を帯びた気持ち悪い手が私の反応を楽しむように弄ぶ。
「やっ‥‥、嫌だっ、助けて‥!」
「─助けなんて呼んでも無駄だよ」
必死に声を振り絞る私にそう被せる。
「ここ、どこか分かってる?地下だよ。助けなんてよんでも誰もこない‥」
「‥‥‥‥‥!」
男は心から嬉しそうにそう呟く。
ここは人気のない地下の一室だということを今さら思い出して、気がつくと視界が涙でぼやけていた。
──柊ちゃん、助けて‥!
無駄だとわかっていても、心の中で柊ちゃんの名前を叫んでしまう。
こんな状況でも諦める訳にはいかなくて、男の腕の中で懸命にもがき、腕に思い切り歯を立てる。
「痛っ‥。抵抗するなよ、仲良くしよう?」
「絶対嫌っ!誰か助けて‥‥っ」
助けて、助けて──‥柊ちゃん‥‥!!
そう言って頬の涙を指で拭われた時だった。