秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
柊ちゃんから離れてちゃんと顔を合わせた。
少し近い距離で見つめ合う形になり、ソファがキシっと小さく音を立てる。
柊ちゃんが訝しげに眉を潜めた。
「だって柊ちゃん、もうすぐお見合いするんだもん。結婚するかもしれないんだよ」
「‥‥‥‥。」
柊ちゃんが少しだけ泣きそうな顔になって目を見張る。
――柊ちゃんはもうすぐ結婚する。
自分で言い聞かせるように言ったその言葉は、自分で言っておいて何故か胸がチクンとした。
だめだなぁ。
私も早く幼なじみ離れしなくちゃ。
柊ちゃんが結婚するってきっとこういう事。
「そうだな」
「‥うん」
柊ちゃんのやけに温度のない声が部屋に響き、私は笑顔を作って頷いた。