秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
『それが、今さっき昼食をとってたんですけど、父がちょっと当たってしまって今ずっとトイレに籠ってて‥。すみません、今日の打ち合わせ、父は同席できなくなりました、本当に申し訳ありません』
「ええっ、大丈夫ですか!?」
驚いて思わず大きな声を出してしまった。
ひどく当たったって、もし食中毒だったりしたら大変だ。
『ちょっとひどいみたいです。
生物を食べてて、色が悪かったので止めたんですけど聞かなくて‥。』
「そうだったんですね‥。あの、打ち合わせの事は全然気になさらないで、ゆっくり治して下さいってお伝え下さい」
『‥‥すみません』
電話越しに、海斗さんからそう謝られた時、社長室の電話のベルが鳴った。
─もしかして、柊ちゃん‥?
『電話、出られてください』