秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

その時だった。
ポケットの中の携帯が震えた。

「あ、ちょっとごめんね」

そう言って携帯をとり、電話にでる。
─光一さんだ。


「もしもし、九条です」

『急に悪いな。前に頼んでいた見合いの件、柊に話してくれたか？』

「あ‥‥」

応えようとして物凄く躊躇した。

どうしよう‥‥隣に、本人‥。

黙り混んでいてもそれも不自然なので、仕方がなく正直に答える。

「はい。連絡が遅くなって申し訳ありません。受けると仰って頂きました」

見合いを、とはあえて言わずに答えてみたけれど、効果は無かったらしく柊ちゃんの表情が強ばった。
‥‥きっと光一さんからだってばれた。

『さすがだな、ありがとう。
急な話になって悪いんだが、それが明日でも構わないか？』

「え‥‥明日ですか！？」

本当に急な話で驚いてしまい、思わず声をあげてしまう。
柊ちゃんも明日というワードに反応して、目を見開いたのがわかった。


明日って、お見合いが、って事だよね‥？