秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
でも、正直一番美味しそうだなって目についたのがそれだった。
‥さすが柊ちゃん。
うーん、でも去年の柊ちゃんの誕生日、小さめのホールケーキをちょっと挑戦して買ってみて二人で頑張ったけど、けっこうきつかったから絶対にきびしい。
結局、二人ともそれぞれ気に入ったカットケーキを買う事にした。
私がチーズケーキで、
柊ちゃんがモンブラン。
お会計中に、ひそひそと小さな声でおしゃべりをする。
「なんかあれだね、チョイスがちょっと大人になった気がする」
「ついこの間まで、
生クリームたっぷりの小さなホールケーキとか買ってたのにな。‥若かったな」
柊ちゃんがふざけたように遠い目をしてそんな事を言うから、思わず吹き出しそうになるのを一生懸命こらえた。
柊ちゃんがお釣りを受け取ったりしている間に、ちらっとクリスマスケーキのチラシが目に入った。
わ‥‥もうそんな季節か。
思わず目を丸くしてじーっと見つめていると、柊ちゃんの手がスッとのびてそれを一枚取った。
会計を終え、
店を出て車に戻り家に向かう。