秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

柊ちゃんは鈍感だから多分気づいてない。

私がお家でお祝いしたいって言った意味。
さっき、
少しだけ胸がチクっとしたことも。

柊ちゃんが結婚式したら、こんな風に柊ちゃんのお家で二人でご飯を食べることなんてなくなっちゃうからだ。

もちろん、お誕生日もクリスマスを祝うことだって。

だから、
最後だから家がいいって我が儘を言った。

‥やっぱり、ちょっとだけ寂しかったから。

でも、
柊ちゃんが結婚するのはすごく嬉しい。
なかなかその気にならない柊ちゃんの事をずっと心配してた。

でもそれは、今までずっと一緒にいた柊ちゃんと今までよりずっと離れなくちゃいけないってことだ。


柊ちゃんは、明日今宵さんに会う。

だから、そろそろここを出ていく準備をしないとな。

いくらお互いにそういう感情もない幼なじみだとしても、私が今宵さんの立場だったら、婚約者が他の女の人と同居しているなんてわかったらきっとすごく傷つく。

だからここを出て、
二人の事を応援するんだ。

「‥‥‥。」

んー、でも柊ちゃん、恋愛に少し冷めてるような所があるからなぁ。
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