秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。


「最上社長、今宵さんと仲良くなれるといいですね」

えっ。
今度は社長呼びで敬語!?

さっきの砕けた話し方は聞き間違えだったのかと思うほどの変わり様にずっこけそうになる。


「そうだな」

"最上社長"は少しだけ辛そうに顔を歪めてそう言うと、困ったように微笑んだ。


「‥‥‥‥‥。」


‥‥すごい分かりやすい人。


そう小さく心の中で呟いて、冷めた目で二人を見ていた。
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