カラー
序章~始まりの記憶~
(うぅっ頭痛い。私何やったっけ?って、)
「ここ、どこ?」
私は思わず声に出してそう言った。
「起きた?美羽さん。」
「覚えてるか?俺らの事とか。」
私の顔を覗き込む二人。似ている顔。
「誰ですか。」
私の口から出たのは平坦な感情のこもっていない声。
「俺は和希。コイツは優希。覚えてねぇか。説明は優希がするから。説明聞きながらでいいから支度して。」
(何の支度を?)
「えっと、俺が説明するね。まぁ結論から言うけど美羽さん、この街に居られなくなったんだ。だからここをでる支度して。で、昨日の事なんだけど。。。」
優希と呼ばれた人が説明したのは昨日何かに追われていた私を助けてくれたそうだ。
(胡散臭い。確かに私は追われているけどどうしてこの人たちは私の名前を知っているの?)
「あんたの事少し調べさせてもらった。身寄りは居ない高校3年生。俺らが守ってやろうか?」
守る?そんなことどうして。と思った。この人たちは信用しても大丈夫だろうか。という不安が美羽に残る。
「はい。お願いします。でも、貴方達2人の事包み隠さず話しますか?」
(絶対にこの人たちは何かを隠している。)
「分かった。実は。。。」
和希と言った人が話したのはとんでもない話だった。この二人も追われているらしい。理由は不老不死。何に追われているかは分からないらしい。
「それでも俺らと行く?」
優希が不安そうに聞いた。
「はい。行きます。連れて行ってください。」
私はそう答えた。どうしてそう答えたかは分からない。何かに引かれる感じ。この人たちとは気が合いそうな、今までにない不思議な感覚。
< 1 / 15 >

この作品をシェア

pagetop