カラー
「あいつ等、知ってる。」
私は彼らを知っていた。私の前居た街での保護者のような人だった。彼らは何人もいて、クローンたちを狩っているんだ。でも、私が追われているのは彼らではなかった。
彼らが通り過ぎた後秀が私に聞いてきた。
「知ってるって、あいつらを?」
私は黙ってうなずいた。
「彼らは私の前の保護者、だったと思う。でも、私を追っているのは彼らじゃない。」
「え!?」
みんなが驚いたように言った。
「ってことは美羽を追っているのは。あっ」
優希がそういいかけて途中でやめた。
「もしかして、俺たちみたいなヤツか?」
和希がそう確認するように言った。
「違う。私が追われているのは女。それにあいつらのところを逃げてから追われ始めた。」
つまり、もしクローン達が私を追っているならあいつらのところにいるときも追われていたはずだ。
「どんな人に追われてんの?」
「赤い人と、青い人と、黒い人と、黄色い人と、緑の人。なんというか、イメージが。」
それぞれ美亜、美衣、美絵、美緒、美嘉と名前があるけど言わなくてもいいだろう。
「じゃあそいつら見つけたらすぐ言え。」
秀の言葉に黙って頷く。そしてまた歩き始める。光陽学校は中心街。一回電車に乗って船に乗り換えて行くから結構時間がかかる。
「あ、美衣。私を追っている青い人。」
「どれ?」
秀が聞いた。
「あの桜木の制服着てるポニーテール。」
「由衣、知ってる?」
「美衣。。。?知らないな。。。あたしが出た後に来たんだと思う。」
見つかるだろうな。
「美衣は大丈夫。攻撃はしないはず。話し合いが主の性格だから。」
そして電車が出た。美衣に見つかるのも時間の問題。
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