カラー
美衣が私たちの車両に入ってきた。これは見つかるな。
「美羽、話し合いがしたい。いい?」
美衣がそう言った。これは応じないと追われそうだ。
「分かった。」
そう私が言うと美衣は秀の隣に座って私のほうを向いた。
「話なんだけど、美羽、自分の任務、分かってるの?」
任務?何のことか分からない。
「分からない。」
「。。。まぁ美羽には記憶に障害があるらしいから仕方ないか。。。」 
「記憶。。。障害。。。?」
「私たちは今のところ6人で、有名校に入り込んで国の状態を伝令する任務があるのよ。光陽学校、桜木高校、刻神学院、聖華女子学園、霧下高校、御堂学園、どの学校も知ってるでしょ。」
伝令の任務?6人で?確かに6校は有名校だけど、なぜ私たちに?
「私たちはクローンよ。」
美衣が普通に言った。
「クローン?私も不老不死なの?」
「違う。私たちは特殊でこのネックレス、あなたも持ってるでしょ。これで普通に年をとるようになってるの。私たちは特殊なクローンだから一人一人欠陥がある。」
「それが、私の場合、記憶ってことね。あなたの欠陥はなんなの。」
「私の欠陥は感情の欠如。特に思いやりとかという感情は皆無なの。表面上はそう見られないように計算してるのよ。」
「そう、で私に何をしろと。」
「刻神学院に戻って。戻るだけでいい。」
「嫌。」
「そう、ここにいる4人はクローン関係者よね。」
「違う。」
「嘘。さっきあなたは私も不老不死なの?と聞いたよね。私も、ということは他にもいるということよね。」
「。。。だったらどうするの。」
「殺す。」
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