カラー
「誰?」
言いながらドアを開けると二人の男女がいた。男の方は20歳くらいに見えるが分かりにくい。少し長めの髪で色は暗い藍色。目つきが悪く隙がない。女の方は私と同じくらいに見える。制服を着ているし多分高校生。たしか桜木高校の制服だったと思う。全国でも指折りの高校だ。腰あたりまでのストレートの髪型。色は黒。制服の着方からして結構優等生なタイプだと思う。
「誰?」
もう一度聞いた。男の方が一言、
「秀。」
と言った。名前だけか?と思っていたら女の方が慌てて話した。
「あ、えっと、あたしは由衣です。えっと、で、この人和希さんと優希さんの知り合いで、何か話がある。と、」
「知り合い?」
私が聞くと秀のほうが答えた。
「元、同級生。」
「そ、私は美羽。上がれば?」
「はい。お邪魔します。」
「邪魔する。」
二人を宿の中に入れた。私は黙って何もしない。秀も何もしない。テーブルに私と男が向き合って座っている。その真ん中に由衣が座っていて何をしたらいいのかと言う感じで困っていた。
「あのぉ。。。美羽さん。刻神学院ですよね?その制服。頭よくないですか?」
「そう。刻神学院。」
刻神学院も全国指折りの高校だ。刻神学院と桜木高校は日本の2トップ高だ。ちなみに五指に入る高校は桜木高校、刻神学院、聖華女子学園、霧下高校、御堂学園。後は特殊な光陽なんかもある。この6校は超有名校で知らない人はいないくらいだ。場所は光陽が中心に他の五校はほぼ均等に各方角に分かれている。
(優等生タイプだな。特に何でもできるタイプ。クラスのリーダー的な。)
暫く、というか6時から10時過ぎくらいまで黙っていたら和希と優希が帰ってきた。
「ただいま。」
「お帰り。」
< 3 / 15 >

この作品をシェア

pagetop