Better*honey―苦くて甘い秘密の恋―
「高瀬さん!まってーー!!」
そんな私の大声にまたもや驚き目を見開く高瀬さん。
今度はちゃんと、自分から…、
「これっ!受け取ってもらえますか!?」
そう言って手の中にある小さなメモ用紙を
高瀬さんに突き出す。
「えっ、…?あ、はい…?」
戸惑いながらも私から紙を受け取ってくれた高瀬さん。
それだけなのに、
何でこんなに顔が…やばい、ニヤける。
「そ、それじゃ!また、会社で!!!」
それだけ言うと、
私は元いた場所へと全力疾走した。
ただ、ただ、走りながら
今あった現実にあった奇跡のような
運命のような出逢いに感謝した。
顔や体の力が全て抜けて、
自然と頬が緩む。
通りすがりの人達に
好奇な目でみられるのも、
そんなの今は関係ない。
今はただ、
この気持ちに浸っていたい。