Better*honey―苦くて甘い秘密の恋―
学校が終わり、
家に帰ると自分のベッドにダイブした。
(音)「好きです!」
さっきから、
何度も何度もそう打っては消すの繰り返しを
していたのだが…
くしゃみをした瞬間、
見事、指が送信ボタンを押してしまいまして…
"好きです"を送信してしまったという…、
あぁー、穴があったら入りたいとはまさにこの事だ。
いきなり、好きです!とか…
いくらなんでも、急過ぎじゃん!!?
既読がつき、返信を待つ。
私、今すごく、ドキドキしてる。
これはトキメキとかじゃなくて、
これからどんな返信がくるのかという、
恐怖のドキドキだ。
(高瀬)「え、何で!?いきなり過ぎでしょ(笑)」
送られてきた文章を読み、
やっぱりな。とため息をつく。
そりゃそうだよね。
最近LINEするようになって、
少しだけ話すようになった関係だってだけなのに。
(高瀬)
「佐藤さんにはもっと若いいい人がいるでしょ?」
なんて返信がきて、
バッ!と寝転んでいた体を起こし、
すぐさま返事を返す。
(音)
「そんな事ないです!
私、本当に高瀬さんのこと好きなんです!」
遊びだと思われてるかもしれない。
けど、私は本気だ。
高瀬さん以上の人なんて、
きっとこの先、現れない。
確信じゃないけど、そんな気がするの。
(高瀬)
「そっか。でも、まだ16でしょ?」
まだ16でしょ…??
歳の差のこと??
それとも、私が未成年だから??
周りの目が気になるから??
(高瀬)
「今はきっと、ただの思い込みだよ。
すぐ俺のことなんて好きじゃなくなるよ(笑)」
なんてまた送られてきた文章に、愕然とした。
私の本気は、
全然微塵も伝わってないんじゃないの?
私、こんなにも本気なのに…
本気で、あなたのことが好きなのに…
なんで、この気持ちが届かないの??
ねぇ、もし。
もしも、
私が同じ歳の、大人な女性だったら。
あなたは少しでも、
私のことを考えてくれるの??
付き合ってくれるの??
だとしたら、、
私はどうしたらいいの…。
止めどなく、あふれでてくる涙に
目を開けていられない。
私は、
目をつむり、
夢の中へと堕ちていった。