Better*honey―苦くて甘い秘密の恋―
変化
ー仕事を初めてから約2ヶ月が経った。
…凄く、楽しいんだ。
皆、想像通り優しくて…
こんなバカな私にも話しかけてくれて、
気にかけてくれる。
私は、本当にWebの皆が大好き。
このチームに入れて良かったと心から思う。
それに…
「高瀬さん。これ、お願いします」
「ん?あ、はーい」
事務所でパソコンに向かって難しそうな顔をしている
高瀬さん。
声を掛ければいつも笑顔で答えてくれる。
高瀬さんはこの会社で唯一の若い男性らしく、
女性に人気。
沙織も…
あの時の嫌な予感が的中して、
高瀬さんに一目惚れしたらしい。
けれど…
『私、実は…好きなんだ。高瀬さんのこと』
私の気持ちを素直に打ち明けたら、
『やっと言ったね!?待ってたよ!』
なんて言われて。
『まぁ一目惚れって言っても
軽い一目惚れってやつ?私の場合はね』
普通に引き下がってくれた。
本当に好きだったのかもしれない。
でも、本当に軽い気持ちだったのかもしれない。
どっちか分からないけど
沙織の応援を、無駄にしたくない。
だから、私は…
ちゃんと後悔しないようにする。
私のこの気持ちは…
軽いもんじゃない。