あなたで溢れる
5
暗い道をズンズン歩く。
荒い息遣いが追ってくる。
「…ハァハァ…英里奈‼︎」
走って追い掛けてくれたらしい。
けど。
まともに顔を見られない。
「…英里奈…」
優しい幼馴染み。
心配しているのが分かってる。
胸のあたりがギュッと痛くなる…
ごめん。
ごめんね。
分かってるの。
私の我儘なのは。
修を困らせてるのも。
甘えてるのも。