あなたで溢れる
「…ごめん」

私がポツリと呟く。

「ん。帰ろ」

優しい優しい幼馴染。

手を差し出してくるが…
それはさっきまで女の子が抱きついていた、手。
ジッと見つめる事しか出来なかった。

「…英里奈…今日は…手、繋いでくれないの?」

修が悲しそうに問う。

「…」

「…」

「…」

「…」

「………いままで…ありがとう…」

どうにか声を絞り出す、

「…は?」

修の動きが止まった。
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