あの夏キミと…
「綾音。ごめんな。お前のこと本当に好きだったし結婚したいと思ってた。でもごめん。」
「そんなこと急に言われても…私、亮介のこと好きなんだよ?約束したよね?結婚するって!」
「悪い。俺たち別れよう」
夏の夕方。日中ジメジメしていたのとはうって変わって少しヒンヤリと秋の風が吹きはじめたあの日。
私は何も言い返せなかった。
だって余りにも亮介の目に暖かみなんかなくて。
今まで私を見ていてくれた目と明らかに違った。
それでも、私に対して少しでも愛情が残っているなら私は亮介が帰ってくるのを待ちたかった。