あの夏キミと…
「綾音。ごめん。今日も接待だから先に寝てて」
私たちは3年前まで彼氏彼女の関係だった。
最初は部署も一緒だったから周りに冷やかさせるのが面倒ってのもあって、私達は入社した時から今まで付き合っていることを隠していた。
「分かった。寂しいけど仕方ないね。次期エースだもんね。取引先の接待なら仕方ないよ。」
「ごめんな!来週からは少し落ち着きそうだからさ!」
私達が務めている会社はWebデザインの大手で毎日あわただしく仕事をこなしている。
その中でも入社当初から才能を発揮している亮介は若手エースとして認められ、20代半ばから役員の人や取引先の重役の人達の接待で毎日大変そうだった。