雪のなかに猫
あの後ほんとに色々と見て回った。きっとショッピングモールに1日いても退屈しないと思う。
なんて思いながらも帰りの車でウトウトする。誠さんはそんな私を見てくすくす笑ってる。スーッと目を閉じる。すると、賑やかだった達也さんと綾華ちゃんは静かにしてくれた。
そしてしばらくして、夢と現実の狭間でクラクラしていたら声が聞こえてきた。
「ま……さ…、はる……ん。集会の時、つれていく……すか?」
綾華ちゃんの声は遠くてはっきり聞こえなかったけど……近くにいた誠さんの声は……よく聞こえた。
「集会は遥には関係ない。連れていかないし、関わらせる気は無い。」
「いいの……か?は……ゃん……しみますよ?」
「あぁ、それでも。遥にはまだ……早い。」
なんだろ、とても悲しくなった。そして、もっともっと……誠さんのことが……知りたいと思った。
そう思いながらも意識は途切れ。目が覚めたら翌朝だった。目を覚ましたら自分の部屋で、リビングからもの音が聞こえ部屋から出てリビングに向かう。
そしたら、スーツを着た奏さんと達也さんと誠さんがいて、着物を着た綾華ちゃんもいた。
そんな四人を見ながらも足元にいたモモを抱き上げる。
「モモ……私は4人の蚊帳の外だって……」
そう言うと誠さんを見つめる3人……誠さんはジッと私を見たまま無言。それを知りながらもモモを自分の顔の高さまで持ち上げ
「でもね。モモ……私、信じてるから、教えてくれるまで待ってる。私にも言えないことの二つや三つ……もっとあるから……」
と、ちらりと誠さんを見ると目が合って私に近づいてきて優しく抱きしめてくれる。
「ありがとう。まだ言えない。だからもう少し……待ってて?」
「うん。」
誠さんは私のおでこに軽くキスをして離れる。それと同時に腕の中にいたモモも腕から抜け出し誠さんの足に擦り寄る。
「今日は帰れないかもしれないけど、モモ、遥を頼むぞ?」
そういって玄関に行く誠さん。私は4人の背を追いかけ玄関まで見送りに行く。
玄関につくと先に三人が出て玄関には私と誠さんだけが残る。誠さんは優しく微笑み私を見て頭を撫でて行ってきます。と出ていくから笑顔で行ってらっしゃいと返し見送った。