雪のなかに猫
お風呂から上がってきた誠さんは珈琲を飲んだあと少し寝る。と言って寝室にこもってしまった。
帰ってきた時も、今もそうだけど……二日のあいだに疲れが溜まったんだろうか。と思い疲れが取れる料理でも作ろうとした。
が…………
食料がない。私、誠さんがいない時って基本なんにも食べないから無いんだよ。冷蔵庫の中を見ながら1人で呟きどうするか迷った。迷ったあげくここら辺の土地の地図も知らないからどこにも行けなくなった。
仕方なく誠さんが起きるまで静かにしていることしか出来ない。と判断し、ソファーに座って誠さんが起きてくるまでじっとしていた。
そして私は思った。この辺のことを詳しくなろうと。
気がつけば夕方。私はソファーで寝てたみたいでタオルケットを掛けてくれていたのか体を起こすとタオルケットがソファーから落ちた。
キョロキョロと見渡すとキッチンに誠さんがいた。そろそろと忍び足で誠さんに近ずこうとしたが、バレバレだよと言われて振り返られる。
「おはよう。」
「おはよう。誠さん……もう大丈夫?」
「ん?あぁ、大丈夫だよ」
そう言って微笑む彼は帰ってきた時の少し鋭い視線は感じられなくて、ホットする……
「そう言えば……家に何も無いから宅配する?」
「買い物行かないの?」
「んー。だるい。何が食べたい?」
冷蔵庫を開け中を見ながら聞いてくる誠さんに、誠さんは?と聞けば何故かほほに手を当てられニコリと笑い。質問を質問で返すの禁止、自分が食べたいものを言ってみなさい。と言われた。
「私はなんでもいいの。誠さんが食べたいものを……」
「うそだ、本当は食べたいやつがあるんじゃない?大丈夫。それを言ったからってわがままにならないから。」
じっと誠さんを見てから少し目を伏せ前から食べてみたかったものを言う。すると、誠さんは嬉しそうにしながらも用意しよっか。と微笑み頭を撫でてから用意しに向かった。