雪のなかに猫




あのまま帰ることもなく空気は何事も無かったかのように遊び場まで来た。達也さんと奏さんはビリヤードをして、綾ちゃんはカラオケしてる。




私と誠さんは何も話すことなくソファーに座ってお互いむごん。言わないといけないかな。家のことも知ってそうだし……そんなことを考えてることが顔に出ていたのか、誠さんの腕が伸びてきて、頭を撫で撫でされる。





「遥?難しく考えることは無いよ。君が言いたくないなら言わなくていい。俺もまだ言えないことがたくさんあるから。だから、自分のタイミングで言えるまで何も聞かない。」



「……ありがとう。」




誠さんの言葉にストンと重い荷物がなくなったような感じになって、いつもの私に戻る。誠さんにお礼を言って綾ちゃんとカラオケを楽しんだ。





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