雪のなかに猫





ピンポンダッシュされてから数分後、誠さんはコンビニの袋を両手に抱え帰ってきた。




玄関に迎えに行っていた私は、荷物を半分を持ってリビングに戻る。どうやら出かけ先に兄妹組(達也と綾華)がいて、私がお留守番していると聞き、私へのお土産として(特に綾華が)オススメスイーツをプレゼントしてくれたとか……





荷物をソファーの前の机に置いてキッチンに行きコーヒーのカップを取り出す。




「誠さん、コーヒーは濃いめ?」


「ん、いつもより薄めで、少しだけ砂糖入れて?」



「ん。」




キッチンとリビングで会話をしながらも希望通りに作る。誠さんをちらっと見たらテレビ台の隣にある本棚でごそごそしていた。



出来上がってカップを持ちリビングにあるソファーのところに行けばごそごそするの辞めてソファーに座る誠さん。モモも近くに来て、僕のミルクは?と言う顔をして見上げてくる。




そんなももにあるよ。と撫でてリビングに持ってきて猫用ソファーの前に置いてあげた。





「遥?俺が出かけていた間になにか無かった?」



「ん?何も無いよ?モモもいい子にしてたし……なんで?」



「……いや、なんでもない。それより遥?何かあったらすぐに頼って?あまり嬉しくないけど……俺じゃなくてもいい。綾華でも、達也でも、奏にでも……いいからね?」





何故かそんなことを言う誠さんに不思議に思いながらも私は笑って頷き、お風呂の準備をするために風呂場へと向かった。





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