雪のなかに猫
残された私と田端さん。
「それにしても、お前……父さんに似たな。」
「え、そう?マッタケはどーよ。」
なんて、兄弟みたいな会話をする田端さんと誠さん。二人を見ていたらやっぱりどことなく似ていて……
ジッと見すぎていたのか二人は私を見て首をかしげている。
「どうした、お嬢。誠と早く帰りたいってか?」
「あ、そうだ。綾華が遥不足で死んでるって達也がいってた」
「いやさー。2人って似てるなーって。でも、見た目は違うよねー。」
なんて言うと2人は顔を見あって苦笑する。
「お嬢……まさか、分かってない?」
「こいつと俺は?双子だぞ?」
「…………。」
驚いて声が出ない私に二人は苦笑していたが、言われてわかってスッキリの私はもう、それがわかって満足です。
「そうそう!遥ちゃん!もうわかってると思うけど、遥ちゃんの家が極道のように私達の家も極道なのよー。誠は一発やらかしてきたから社長でもあるけど。」
「はい。」
「遥ちゃんには迷惑かけてしまうかもしれないけど……愛で乗り越えるのよ!!」
おぉー。熱い義母様!!なんて思いながらも。ちゃんと返事する。
「さて、ここからが本番だ。君のご両親についてだ。」
「両親……ですか?」
衛さんが私を見て話し出す。
その内容は……両親はわざと私に冷たくあしらっていた。と、なぜ衛さんが話すかなんてわからない……けど、もうそんなのどうでもいい。
だって、家を追い出されたから今がある。
誠さんに出会えたんだから、どうってことない。
逆に感謝してるよ。
誠さんに合わせてもらったから……ね。