雪のなかに猫




残された私と田端さん。




「それにしても、お前……父さんに似たな。」


「え、そう?マッタケはどーよ。」




なんて、兄弟みたいな会話をする田端さんと誠さん。二人を見ていたらやっぱりどことなく似ていて……




ジッと見すぎていたのか二人は私を見て首をかしげている。




「どうした、お嬢。誠と早く帰りたいってか?」



「あ、そうだ。綾華が遥不足で死んでるって達也がいってた」



「いやさー。2人って似てるなーって。でも、見た目は違うよねー。」




なんて言うと2人は顔を見あって苦笑する。




「お嬢……まさか、分かってない?」



「こいつと俺は?双子だぞ?」



「…………。」




驚いて声が出ない私に二人は苦笑していたが、言われてわかってスッキリの私はもう、それがわかって満足です。




「そうそう!遥ちゃん!もうわかってると思うけど、遥ちゃんの家が極道のように私達の家も極道なのよー。誠は一発やらかしてきたから社長でもあるけど。」



「はい。」



「遥ちゃんには迷惑かけてしまうかもしれないけど……愛で乗り越えるのよ!!」




おぉー。熱い義母様!!なんて思いながらも。ちゃんと返事する。





「さて、ここからが本番だ。君のご両親についてだ。」




「両親……ですか?」




衛さんが私を見て話し出す。




その内容は……両親はわざと私に冷たくあしらっていた。と、なぜ衛さんが話すかなんてわからない……けど、もうそんなのどうでもいい。




だって、家を追い出されたから今がある。
誠さんに出会えたんだから、どうってことない。





逆に感謝してるよ。
誠さんに合わせてもらったから……ね。





< 47 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop