理系教授の秘密は甘々のはじまり
ホテルに着くと、葉山は二人の名前を告げた。どうやら部屋は隣同志らしい。そういえば葉山も煙草は吸わないといっていた。

波実もホテルマンに促されるまま受け付け表に記入した。

鍵を受け取り、エレベーターでそれぞれの部屋に向かう。

「鈴木、着替えたら俺の部屋をノックしろ。すぐに食事に行こう」

"この強引な人は誰だろう？"

波実は、一人が好きなはずの教授の意外な面を見すぎて途方にくれていた。しかし、反論する隙も与えてくれないのだから従うしかない。

「はい」

波実は部屋の鍵をカードで開けると、荷物を整理するのもそこそこにセミダブルのベッドにダイブした。

「疲れたー」

ただ学会を聴講して、会場をウロウロしただけなのに足が棒のようになっている。本音を言うとこのまま少しやすみたかった。

でも、隣で葉山教授が待っている。早くしなければＳＮＳのアプリが起動されることだろう。それだけは避けたい。

波実は学会用のスーツから、少しお洒落なワンピースに着替えてメイクをなおし葉山の部屋へ急いだ。
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