理系教授の秘密は甘々のはじまり
ビュッフェ式の朝食を終えると、二人は昨日同様、学会会場に向かった。
波実の発表は9時、葉山の講演は11時からとなっていた。
パソコン演題受付でプレゼン用のデータを登録する。葉山はずっと隣に付き添い、緊張する波実の背中を時おり撫でたりしていた。
「おやおや、女嫌いの葉山教授のお気に入りですかな?珍しくご執心のようだ」
小太りでテカテカひかる額。漫画の悪役キャラそのもののような男性が受付を終えた二人の前に現れた。
波実は失礼にならないようにチラッと名札をみた。そこにはD大学教授:宮間優次郎と書いてあり、年の頃は50代といったところだ。
葉山と同じような研究をしており、一方的にライバル視していると聞いたことがある。
波実は、宮間に慌てて名刺を渡すと
「葉山教授の研究室で学ばせて頂いております。H大学の大学院2年:鈴木波実と申します。宜しくお願い致します」
とお辞儀をした。
宮間はその名刺を取るとき、すかさず波実の手を握ると波実の体を引き寄せた。そして、左手で波実の手の甲を撫でながら、耳元で囁く。波実の背筋がぞっとした。
「鈴木さんだね。とても可愛らしい院生だ。就職は僕のところに来てもいいんだよ」
葉山は、すかさず二人を引き剥がすと、波実の肩に腕を回した。
「ご心配には及びません。彼女の就職先は決まっていますから」
波実はギョッとして葉山を見上げたが、この場を乗りきる葉山の嘘だろうと納得してなすがままにしていた。
いつもと違う葉山の行動に満足したのか、宮間は笑って
「素敵なお嬢さんと挨拶ができて光栄でしたよ。これからも宜しく」
と言って去っていった。
「あの、エロだぬき,,,」
波実は葉山の暴言に耳を疑ったが、これ以上ここにとどまっている時間はない。
「教授、早く会場に移動しないと」
「ああ」
二人はメイン会場である第一ホールへと移動した。
波実の発表は9時、葉山の講演は11時からとなっていた。
パソコン演題受付でプレゼン用のデータを登録する。葉山はずっと隣に付き添い、緊張する波実の背中を時おり撫でたりしていた。
「おやおや、女嫌いの葉山教授のお気に入りですかな?珍しくご執心のようだ」
小太りでテカテカひかる額。漫画の悪役キャラそのもののような男性が受付を終えた二人の前に現れた。
波実は失礼にならないようにチラッと名札をみた。そこにはD大学教授:宮間優次郎と書いてあり、年の頃は50代といったところだ。
葉山と同じような研究をしており、一方的にライバル視していると聞いたことがある。
波実は、宮間に慌てて名刺を渡すと
「葉山教授の研究室で学ばせて頂いております。H大学の大学院2年:鈴木波実と申します。宜しくお願い致します」
とお辞儀をした。
宮間はその名刺を取るとき、すかさず波実の手を握ると波実の体を引き寄せた。そして、左手で波実の手の甲を撫でながら、耳元で囁く。波実の背筋がぞっとした。
「鈴木さんだね。とても可愛らしい院生だ。就職は僕のところに来てもいいんだよ」
葉山は、すかさず二人を引き剥がすと、波実の肩に腕を回した。
「ご心配には及びません。彼女の就職先は決まっていますから」
波実はギョッとして葉山を見上げたが、この場を乗りきる葉山の嘘だろうと納得してなすがままにしていた。
いつもと違う葉山の行動に満足したのか、宮間は笑って
「素敵なお嬢さんと挨拶ができて光栄でしたよ。これからも宜しく」
と言って去っていった。
「あの、エロだぬき,,,」
波実は葉山の暴言に耳を疑ったが、これ以上ここにとどまっている時間はない。
「教授、早く会場に移動しないと」
「ああ」
二人はメイン会場である第一ホールへと移動した。