七色ペンダント
「小姓?」
「そー、身の回りのお世話とかさ!」
「はぁ.....。頑張ります」
「名前、今度は教えてくれるかな」
「そうでしたね、私は大島 文(おおしま ふみ)と言います。よろしくお願いします、沖田さん」
大島文か.....可愛い名前だな。この子によく似合ってる。
「大島さん、宜しくね」
「はい!」
「そういえばさ、どうせ僕たち歳近いんだし、敬語じゃなくていいと思うけど」
「壬生浪士組なんて聞いたら敬語になりますよ」
「怖い?」
「え?」
「僕達壬生浪士組は壬生狼の人斬り集団って呼ばれてるから」
この時、僕は悲しい顔をしていたと思う。僕たち新選組は京を守ろうとして命張っているのに、人斬り集団だなんて名前をつけられたら、自身だって無くなっちゃう。
そんな僕を見てか、彼女は真剣な眼差しで言った。
「私は怖いとは思いません。誰かを守る為なら死は仕方の無い事。その役があなた達壬生浪士組だったというだけで沖田さん達がやらなければ他の誰かがやっていた」
そしてこう付け足した。
「それに、私は自分の方が怖い」
その言葉の意味が何を表すのか、僕には全く検討もつかないけど、これだけは言えた。
「.........大島さんは、いい人だと思うよ」
「そうでありたかったです」