七色ペンダント
2階は1階よりも死体が多く、生臭い匂いが鼻についた。
「うっ……臭っ」
「こりゃひでぇな……」
1番奥の部屋へ来ても、文の姿はなかった。
「文っ……」
すると、黙って部屋を探索していた斎藤が口を開いた。
「この血溜まりを見ろ」
「こんな血溜まりよくあるじゃねーか」
「血溜まりがあれば、近くに死体があってもおかしくはないはずだ。それに、よく見ると少しだけ何かを引きずった様子がある」
「ほんとだっ!!」
「この窓にも血がついている」
「な、何が言いたいの。はじめくん」
「大島は連れ去られた可能性が高い」
「っ……なんのために」
「それはわからない。だが大島の命が危ないだろう」