七色ペンダント

悔しそうに涙を流す文とは裏腹に、稔磨は冷徹な表情で見下ろしていた。



「くだらん」



「っ……」



「仲間を信じる?そんな戯言(ざれごと)を言って、後悔するのは結局自分なんだ。裏切り裏切られる、それが人間なんだよ」



そう言った彼は、どこか悲しげに見えた。



昔の私と…同じだ……。



「いいえ。人を信じて後悔なんてしません。あなたがそう言えるのは、過去に人を信じたことがあるからですよね。



信じる……これがどれだけ難しい事か。そしてどれだけ美しい事か……」



「黙れ」



それを聞いた彼は、眉をひそめて苦しそうに反論しようとした。


< 114 / 185 >

この作品をシェア

pagetop