七色ペンダント
「あなたは人を信じることがこわいんです。そうじゃないですか?」
「黙れ。お前に何がわかる」
「わかります。私は信じていた仲間に裏切られ、そのせいで多くの友を亡くした。それからはどんなに信じていた仲間でさえも信じることが出来なくなってしまった。
あなたはあの時の私と同じ。あの時と……同じ目をしてる」
稔磨は私の話を静かに聞いていた。その目は確かに揺れていた。
「お前からは俺たちとは違う匂いがする」
「そうでしょうね」
「何者だ?」
「さぁ。私にもわかりません。でも、寿命は長くありません」
「結核か」
「いいえ。なんでもいいでしょう。私にはもう時間が無いんです。早く返してください」
「それは出来ない」
「………どうしてもというのならあなたを斬るしかありません」
「お前の仲間とやらを侮辱したのは悪かった。だが新時代を切り開くには、幕府は滅ぶべき存在なんだ。お前も考えてみろ」