七色ペンダント


こんなの、ないよ。せっかく信じられる仲間が出来たのに。こんな終わり方、ないよ……。



私がすべきこと。それはこっちの味方についたと思わせ、そこでペンダントを地に埋める。人間の心…………私はとっくに手に入れていたんだ。新選組と出会ってから私の心は輝いた。



恋ができたのも、笑顔になれたのも、生きる喜びを知らせてくれたのもみんな新選組のみんなのお陰。



恩返し……にはならないかもしれないけど、これが私に出来る最期の恩返し



なればいいな。



「決まったようだな」



「………喜んでとは言わないから」



そう睨んで言った文の声は、地を這うようなものだった。

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