七色ペンダント
大島文サイド
「大島 文です。宜しくお願いします」
ニコッと微笑むと、4人は頬を染めた。
女が壬生浪士組の小姓として来たという事実が知れ渡るまでそう時間はかからなかった。
朝餉の味は酷いもので、魚は焦げてるわ、漬け物は塩っぱいわ味噌汁は薄いわで、とても食べられるものではなかった。
土方さんに交渉したところ、お昼からは私が作ることを許可してくれた。
部外者の私に食事を作らせてくれるなんて、疑ったりしないのかな。
まぁでも。疑ってるからこそ、監視をつけているんだろうけど。天井から殺気の混じった視線が痛々しいもん。
昼餉を作る前に、私は近藤勇さんに挨拶に行かなくてはならない。彼は、後の新選組局長になられるお方だ。これほどまで緊張したのは何年ぶりだろうか。