七色ペンダント

「っ………離してください」



「やだ」



下を向き、絞り出すように話す沖田さんは震えていた。



「どうして、いなくなっちゃうの……」



ゆっくりと顔を上げた彼は泣いていた。



「沖田さん………」



「どこにいたの……なんで、帰ってきてくれなかったの……」



「ごめんなさい……」



目の前にいる、大好きな彼を見ていると今にも泣きそうになった。今までの感情が溢れそうになる。



抑えきれないくらい沖田さんが好き。好きだからこそ、私はこうしなくちゃいけない。



「土方さんに伝えてくれませんか。私は新選組を抜けます」



「なに…言ってるの……？」



「もう、関わらないでください」



うつむく文の声は震えていた。



「やだよ。だって……僕たち、恋仲でしょ？文とまた離れるなんて、やだよ」



「私は………」



どんどん呼吸が荒くなっていくのが自分でもわかった。



「私は……あなたが、嫌い」



「え……」



「だから、これ以上、私に関わらないで。近づかないでっ」