七色ペンダント


とても沖田さんの顔は見られなかった。



すると、沖田さんは静かに「わかった」と、一言呟き、そのまま彼は私の前から去って行った。



沖田さんが見えなくなるまで見届けると、その場で膝から泣き崩れた。



「沖田……さんっ…ごめんっ…ごめんなさい…」



その日は買い物も忘れて泣いていた。



目の腫れが治まるのを待って屋敷へ戻った。


────


「戻りたいのか」



沈みかけの夕日を見つめる文に、吉田は悲しそうな表情で、今にも消えそうな声で言った。



「………すまない。」



「なんで謝るんですか?」



「俺は……お前を新選組の人質として。利用するために連れてきた。利用するためだけに、お前をここへ置いた。それなのに…今は違う」

< 131 / 185 >

この作品をシェア

pagetop