七色ペンダント
翌日
早朝、仕事に取り掛かろうとすると吉田さんが起きてきた。
昨日の今日で気まずいな……
そんな私の気持ちとは裏腹に、吉田さんは普段通りの会話をしてくれた。
今日は街には出ず、屋敷内で過ごしていた。
「おい」
「なんですか?吉田さん」
「新選組の奴らがお前を探してるみたいだぞ。うちの隊士がお前の行方について聞かれたそうだ」
「そんな……有り得ないです。だって私は、あの人を切り捨てた」
「……明日、巡察中の奴らに奇襲をかける。お前も同行しろ」
「えっ……」
「斬れとは言わない」
そう言った彼の考えは、全く読めなかった。複雑な表情……いや、何かを決意したような、そんな顔をしていた。
「……わかりました」
部屋へ戻った文は、自分の刀を見つめた。
明日の戦いが終わったら、ペンダントを埋めよう。そう胸に決意した。