七色ペンダント
翌日の昼間、30人あまりの兵士を連れて私達は屋敷を出発した。
巡察中の新選組を見つけると、私達はまばらになり、四方八方に息を潜めた。
どうか、一番隊じゃありませんように。そんな文の願いも虚しく、浅葱色の羽織をまとった隊の中に、沖田さんを見つけた。そしてその隣には永倉さんもいた。
よく見れば……一番隊じゃない。永倉さんの隊だ。
じゃあなんで沖田さんがここに?
早く逃げてよ………
「大丈夫か」
そう言って吉田さんは私の頭に優しく手を置いた。
「はい」
すると突然、沖田さんと永倉さんが足を止めた。
「隠れているやつ、出てこい」
そう言った沖田さんは、まるで地を這うかのように低い声だった。
気配か。流石だな、沖田さん。
「行くぞ」
私が頷くのを確認すると、吉田さんにつられて全員が顔を出した。