七色ペンダント
私は抜刀もせずに刀を片手で持ちながらその場に立ち尽くした。
吉田の組はあっという間に押された。
「強いな。沖田総司くん」
「伊達に試衛館やってたわけじゃないからね」
「ふっ。俺と勝負だ」
「その言葉、待ってたよ」
沖田さんと吉田さんが、勝負………
どうしよう、やだ、二人が殺し合う所なんて、見たくない……
二人は刀を構えると物凄い速さでぶつかり合った。
吉田さんも相当強い。でも、沖田さんが相手では負けてしまう。
「流石っだなっ!」
「君も、なかなかやるね。でも………」
すると沖田さんは三段突きをかました。
一突き目はなんとか交わしたようだったが、二突き三突き目は交わせなかった。
「ぐっ!!!」
「これで終わりだね。さようなら、吉田」
「やめてっ!!!」
トドメを刺そうとした吉田さんを庇うように前に躍り出た。