七色ペンダント
その日、私は土方さんに呼ばれて副長室へ来ていた。
「ご迷惑をおかけし、本当に申し訳ございませんでした」
「いいんだ。それより、お前をここへ呼んだのは……その首飾りの事だ。」
首飾り、その言葉を聞くと心臓が嫌な音を立てた。
「お前はもう覚悟を決められたのか?」
「はい」
「そうか。……今夜、広間に皆を集める。そこで話せ」
「わかりました」
そう言った文には、まだ迷いがあった。
ここへ来る前までは早く死にたい。未来を救うためならなんだってする、そういう気持ちだった。それなのに……新選組の温かさに触れた今、生きたいって思ってる自分がいる。
そんな事、考えちゃいけないのに。